大学入試問題:あなたの中の日本人、外国人について述べなさい。

こんにちは。Fingerpost英語教室の武由桂(たけゆか)です。ブログを見てくださってありがとうございます。今日は高校3年生に質問です。皆さんはこう聞かれたらどう答えるでしょうか? 


実はこれ、私が受けた大学入試の小論文の問題です。これを見たとき私はうーん、と考え込んでしまいました。小学校の頃から英語を学んできたけれど、こんなこと、考えたこともなかった。ヤバイぞ。書く内容が浮かんでこない・・・と冷や汗をかいたのを覚えています。それと同時にゾクっとしました。すごい問題だな。これ。


で、最近になってやっと答えを見つけたように思います。


私の中の日本人。これは「季節感と田んぼ」です。

日本人は、季節の移り変わりを楽しみ、花や月を愛でたり、その時々の食を楽しむ文化を持っています。私はそうやって厳しい寒さや暑さを乗り越えてきた日本人を誇らしく思います。

田んぼは、6月に田植えをしてから10月に稲を刈るまで、農家さんがわが子のように見守り育てます。私はこの田んぼを散歩するのが大好きです。6月田植えの時期には田んぼに入る水の音やにおいを楽しみ、夏はグリーンのきれいな色を見てほっとします。台風が来ると、稲が倒れなければいいなと勝手に心配します。秋には穂がたれ、黄色や茶色に色が変わっていき無事にここまで来たのかと、安心します(稲刈りの頃のにおいは最高です)。 こんな風に、田んぼと田んぼに集まる生き物をみて季節の移り変わりを感じ、安心する。これが私の中の日本人です。



私の中の外国人。これは、話し方の順序です。


日本人は、前置きをたくさん言ってから、最後に結論を言います。これに対して英語圏の人は、先に結論を言ってから後で理由づけや説明をします。

例えば

「この間は一緒に映画行って楽しかったね。一緒に食べたご飯、最高! DVDが出たらまた借りてみようかなと思ってる。」 と述べてから、「実は、来週〇〇ちゃんの誕生日なんだけど、プレゼントを一緒に選んでくれない?」 と本題に入ります。そして、相手の年齢やポジションを考慮して状況判断しながら話し方を工夫することが必要です。


一方、英語圏の人は


「今日は、来週〇〇ちゃんの誕生日があって、プレゼントを一緒に選んでくれないかと思って連絡しました。都合のいい日はある?」と最初から本題について触れます。

昔 会社でビジネスレターを英訳するように頼まれたとき、

手紙内容の順番が入れ替わったので 驚かれたり、そのまま訳すように注意されたこともあります。でも、そのまま訳したら、外国人には手紙の目的が伝わりにくい。これは悩ましい経験でした。


英語の文章をたくさん読んで、それを真似して会社でe-mailを書いていた私は、気がつけば結論からズバッと言う癖がついていました。で、場合によっては多分「その言い方は唐突に何?」と思われたり、キツイ印象を与えてしまう。

知らず知らずのうちに習慣になっていた話し方の癖、これが私の中の外国人です。


この問題を考えた先生には会うことはないけれど、とても尊敬しています。私の学生時代は文法中心の一方的な教授法がメインで、そうやって受け身で育ってきた私たちに「外国人に興味を持ち、習慣や文化に触れて違いを発見してみなさい。」と、気づかせてくれようとしたのかと思います。

時間が戻せるのなら、入試でこの解答を書きたかったな(笑)。

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